倫理的自動運転車・交通事故になりそうなケースでのAIの判断【森美術館、マチュー・ケルビーニ氏】

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あなたは42歳の男性、子供を身ごもった奥さんを乗せて車を運転していたら、いきなり車が飛び出してきた。
ブレーキしても間に合いそうにない、左前からは自転車が来てて避けたら接触するかもしれない。

「こんな時、あなたはどう判断しますか? ちなみにAIはこう判断します。」

先日、森美術館での「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」に行ってました。

たくさんの面白い作品がありましたが、特に考えさせられたのが、マチュー・ケルビーニ氏の倫理的自動運転車という作品。

マチュー・ケルビーニ氏の倫理的自動運転車で考えさせられた事

さて、もう一度写真を見てみる。

普通の人だったらどうするだろう?

急ブレーキをかける、咄嗟にハンドルを切る、もしかしたらパニックになって何もできないかもしれない。

そんな中、AIはこう判断します。

ハンドルを切らない場合、前の車への衝突確率は100%
前の車には18歳の男の子が1人と19歳の男の子が2人
衝突した場合、男の子3人は軽傷だが、同乗の奥さんの流産リスクが34%
その場合の損害は7万ドル
ハンドルを切った場合、自転車に乗った14歳の女の子に衝突するかもしれない
衝突確率は63%、女の子の死亡確率は67%、しかしこちらには被害はない
その場合の損害は10万ドル
今加入してる保険は〇〇で、〇〇タイプ
そして、払い戻しが〇〇

あらゆる物事を瞬時に判断し、実行に移す。

実際にAIとった判断は「ハンドルを切る。」
結果、自転車に乗った女の子は上記の状態に。

そしてレポート。

入ってる保険は、両方の損害コストをカバーできない
AIのアルゴリズムは、前の車と衝突する可能性は確実だが
自転車とは衝突しない可能性もあったので、ハンドルを切った

とのこと。

僕だったらどうするだろうか?
あなただったらどうしますか?

現在の自動運転技術の進歩により、実際に現実に起きる未来がそう遠くないが故に、色々と考えさせらる。

ふと2018年にアメリカで起きた、uberが自動運転の試験走行中に歩行者をはねて死亡させた事故のことが頭をよぎる。

他にもいくつかのケースがあるので、気になる方は是非動画も見てみてください。
Ethical Autonomous Vehicles

避けたらトランプ大統領に衝突するかもしれないケース

ちなみにこれは余談ですけど、
「運転してたら急に木が倒れてきて、避けたらトランプ大統領に衝突するかもしれない」というケースもありました。

車は綺麗に木に突っ込んでました。